成約率アップ!購買意思決定の5つのプロセスを徹底解説

仙道達也
どうも仙道です。

商品・サービスを販売する際には、顧客がどのような考え・行動を経て購入に至るかを知っておくことがとても重要です。それを把握しておけば、いつ・どのようなマーケティング活動を行えば効果的かという点を明確にできるからです。

人が購買に至るまでの一連の流れは「購買意思決定プロセス」と呼ばれています。この記事では、その概要と、それぞれのステップで効果的なマーケティング活動のポイントについて解説しています。

購買意思決定プロセスとは

購買意思決定プロセスとは

あなたは、「欲しい」と思った物を何も考えず、即決で購入しますか?時にはそういう物もあるかもしれませんが、基本的には少し時間をおいて、色々調べたり、誰かに相談したり、よく考えてから購入すると思います。即決で買ったと思った物でさえ、頭の中では瞬時に色々な判断を行っているはずです。

このように、人はある商品・サービスの必要性を感じ、それを実際に購入するまで、ある程度の時間をかけて、頭の中で情報の収集や気持ちの整理、類似商品の比較や評価などのプロセスを踏んでいます。

この一連の心理的なプロセス(商品・サービスを購入するまでの人の考え方の流れ)を「購買意思決定プロセス」といいます。

購買意思決定の5つのステップ

購買意思決定の5つのステップ

「購買意思決定プロセス」とは、具体的に次の5つのステップに分けることができます。

  1. 問題認識
  2. 情報探索
  3. 代替品検討
  4. 購買決定
  5. 購買後の行動

それぞれのステップについて、詳しく説明していきます。

①問題認識

購買行動は、自身が抱えている問題やニーズを認識するところから始まります。例えば、「お腹が空いた」といった日常的な問題から、「給料が少なくて生活が苦しい」といった問題など様々です。

②情報探索

問題を認識すると、次にその問題を解決するために色々な情報の収集を始めます。「お腹が空いた」と思うなら美味しいものが食べられるお店の情報をSNSの口コミで調べますし、「給料が少ない」と思うなら、転職できる先がないか、副業など収入を増やせる方法がないか等の収入を増やせる方法をインターネット等で探します。

③代替品検討

情報探索が終わると、次は自身の問題やニーズを解決できる商品・サービスの検討を始めます。情報探索で収集した複数の商品を比較検討して、それぞれの商品・サービスのメリット・デメリットを評価していきます。お腹空いたなら自分の好みの料理が食べられる店はどこか、副業を始めるなら自分にはどんな副業が向いているか等を考えます。

④購買決定

そして、いよいよ購買の意思を決定します。人は、代替品検討のプロセスで、最も自分に適していると判断した商品・サービスの購入を決定します。この時、確実に商品・サービスの購入につなげることが重要です。詳しくは後述しますが、ちょっとしたことで購買を取りやめるリスクがあるからです。

⑤購買後の行動

購買意思決定プロセスでは、商品・サービスを購入したら終わりではありません。

商品・サービスを購入した後、人は「この商品・サービスを購入したことは正しかったのか」と考えます。自身がその商品・サービスの購入によって得られた価値や体験を評価するのです。飲食店の口コミや商品レビュー等がその例です。

購買意思決定プロセスを意識することの重要性とポイント

購買意思決定プロセスを意識することの重要性とポイント

このように、人が商品・サービスの購買に至るまでの考え方を流れに沿って理解すると、いつ・どのようなマーケティング活動を行えば効果的か明確になります。それぞれのプロセスで、必要なマーケティング活動について順番に開設していきます。

①問題認識

あなたの商品・サービスを販売するには、まずあなたの顧客にニーズを認識してもらうことが重要です。

ニーズには、顧客自体が既に必要性を認識している「顕在的ニーズ」と、顧客がまだ必要性を感じていない「潜在的ニーズ」の2種類があります。人は、必要性を感じないものを購入はしません。

顧客にあなたの商品・サービスを購入してもらうには、あなたの商品・サービスが必要であると感じてもらう(潜在的ニーズを顕在的ニーズに変換する)必要があります。

この時、商品・サービスの良さだけをどんなにアピールしても逆効果です。それは一方的な押し売りと変わらないからです。顧客にどんな問題・課題があって、なぜそれを解決する必要があるのか。それをそのまま放置しておくと、将来どういう結果になるのか。その結果を招かないためにはどんな行動をする必要があるのか。

その行動のために、あなたの商品・サービスがなぜ必要なのか。あなたの商品・サービスを購入することで、未来がどう変わるのか。そこを説明していくことがとても重要です。

②情報探索

情報探索は、「内部探索」と「外部探索」の2種類に分けられます。

「内部検探索」とは、自身の経験・知識から情報を集めることをいいます。例えば、飲食店であれば、過去に自分が訪れたことのある店の中から美味しかったお店を選ぶケースです。

一方、「外部探索」とは、インターネットや知人等、自分以外の外部から情報を集めることをいいます。同じく飲食店を例にすれば、インターネットの口コミサイトで調べたり、食通の知人から美味しいお店の情報を聞き出したりするケースがそれに当たります。

一般的に、人はまず内部探索を行い、それで不十分な場合には外部探索を行います。そして、外部探索は、「口コミ」や「準拠集団」にも影響を受けます。

口コミとは、商品・サービスに関して顧客同士が情報を共有し合うことで、興味・関心が高いものほど口コミの影響を受けやすいと言われています。

一方、「準拠集団」とは、人の購買意思決定プロセスに影響を与える集団・個人です。例えば、特に合理的な理由はないけれども、初めて購入する商品は「家族が使っているから」とか「憧れの芸能人が使っているから」など、感情的な動機で商品の購入を決定することがあります。この時の「家族」や「芸能人」が「準拠集団」に該当します。

このプロセスにおけるマーケティング活動としては、口コミや準拠集団の効果を積極的に利用することが有効です。SNS等を通じて、影響力のある人に口コミを広めてもらったり、有名人などをプロモーションに活用したりするのも購買につながりやすくなります。

③代替品検討

代替品検討とは、情報探索で収集した複数の商品・サービスを比較・検討し、それぞれの良し悪しを評価することをいいます。評価するポイントは、顧客の重視するポイントによって多岐に渡ります。

このプロセスを勝ち抜くためには、顧客が重視するポイントを見極めることが重要です。例えば、品質を重視する個客には品質の良さを積極的にアピールすることが効果的ですし、一方、顧客が重視する部分に弱みがあるなら、その弱みを打ち消せるだけの強みをアピールする必要があります。

例えば、価格を重視する個客に値段の高い商品をセールスする場合、「価格は高いが、他の商品よりも長持ちするので、トータルで見ればコストが低い」等と説明すると説得力があります。

④購買決定

このステップでは、確実に商品・サービスの購入につなげることが重要になります。人は、一度購買を決意していても、様々な要因で購買を中止する可能性があるからです。

例えば、購入に当たって大量のアンケートに答えなければならなかったり、店頭販売のみでインターネットからは購入できなかったり、購買にかかる手続きが面倒・複雑であるとそれだけで直前で購入を取りやめてしまうリスクがあります。このようなリスクを回避するためにも、商品の購入は簡単・快適にできるよう十分配慮する必要があります。

⑤購買後の行動

現代には、様々な商品・サービスが溢れています。マーケティング活動においても、商品・サービスを利用した顧客がどのような感情を抱き、どのような行動を取ったかについても注目しなければなりません。

商品・サービスに対する満足度が高いと、顧客はSNSや口コミでその良さを伝えようとする傾向があります。リピーターとなり、継続的に利用してくれる可能性も高まります。

一方、商品・サービスに対して何かしらの不満を持った顧客は、その不満を減少させるような行動を取ると言われています。例えば、購入した商品・サービスに欠点を見つけた場合には、購入しなかった方の商品・サービスの欠点を探したり、購入した商品・サービスの良い口コミばかりを積極的に確認したりすることです。これは、「自分の行動は間違ってなかった」と自分を正当化したい心理が働くために起きると言われています。

こうした購入後の行動を考えると、このステップで効果的なマーケティング活動は、まず満足度の高い顧客に積極的に宣伝してもらうことが効果的です。アンケートや満足度調査を行い、どの顧客がどのくらい満足しているか把握するとよいでしょう。

次に、顧客との長期的な関係構築に重点を置くことです。一般的に、満足度が高い顧客は継続的に商品・サービスを利用してくれる可能性が高いです。そうした長く利用してくれる顧客が増えれば増えるほど、長期的に安定した収入を得ることができるからです。したがって、満足度が高い顧客とは積極的にコミュニケーションを取ったり、特典を用意したりするなどして、満足度をさらに高めていくことが重要になります。

そして、購入前に期待値を高め過ぎないことも重要です。人はあらかじめ持っていた期待値と合っていれば満足する一方、期待値を下回ると不満を感じます。満足する顧客より、何らかの不満を持つ顧客の方が多いことを考えると、購入に繋げるために事前に期待値を高め過ぎると、かえって大きな不満を抱かれるリスクが高まります。大きな不満を抱かれるとSNS などで悪い評判を流される恐れもあります。過度に期待を煽るような売り方は控えましょう。

まとめ

購買意思決定プロセスについて理解すると、商品・サービスの購入に至るまでの顧客の感情の変化をたどることができます。それぞれのプロセスにおいて顧客の感情がどのように変化していくか知っておけば、それに対応した最適なプロモーションや広告を打ち出すことができますし、「売れる導線」を作ることができます。

「購買意思決定プロセス」には、マーケティング活動のヒントがぎっしり詰まっています。

これから自分の商品・サービスを販売しようと思っている人、自分の商品・サービスが思うように売れなくて悩んでいる人は、ぜひ購買意思決定プロセスを学び、自身のビジネスに利用していきましょう。

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