どうも、仙道です!
コーチとして活動していると、「お客様が行動してくれない」という悩みを抱えることがあると思います。お客様が行動してくれなければ、当然、お客様が成果を手にすることができないし、自分の実績にもなりません。
では、どうすればお客様が行動してくれるのか。
1つの対処法として「コーチング」と「ティーチング」についてお伝えします。2つのスキルの違いを知り、使い分けを意識することで、お客様が自発的に行動してくれるようになるからです。
コーチングとティーチングをどのように使い分ければいいのか。2つのスキルのポイントや効果などについて解説していきます。
クライアントをサポートするときにも役立つ内容です。ぜひ参考にしてみてください。
コーチングとティーチング|定義の違いとは?
2つのスキルの定義の違いを理解しておくことで、使い分けがしやすくなります。
コーチングの定義
目標達成・問題解決に必要な「答え」は相手の中にある。
お客様の中にある「答え」を引き出す方法
お客様と自分は『対等な関係性』
ティーチングの定義
目標達成・問題解決に必要な「答え」は自分の中にある。
お客様に「答え」を教える方法
お客様と自分は『教師と生徒の関係性』
例題|クライアントが売上を作れなくて困っている
コーチングでの対応
「売上を作れない原因・対処法」をクライアント自身に気づかせるように導きます。
<参考例>
なぜ、売上が作れないのか?
その原因はどこにあると考えているのか?
原因はどうすれば解消できると思うか?
ティーチングでの対応
「売上を作れない原因・対処法」を具体的に教えて、クライアントがとるべき行動を1つ1つ細かく指導します。
<参考例>
売上が作れない原因は集客ができていないことです
今の集客についての課題を紙に30個書き出してください
30個書いたらすぐできることに○をつけてください
今、自分のクライアントにとって必要なのは、コーチングなのか。それともティーチングなのか。
クライアントの状況を見極めて使い分けるを意識することがオススメです。
コーチングとティーチング|必要なスキルは何が違う?
コーチングとティーチングは、実践するために必要となるスキルに違いがあります。
コーチングに必要な5つのスキル
- 傾聴スキル
- 承認スキル
- 質問スキル
- フィードバックスキル
- 提案スキル
【1】傾聴スキル
傾聴とは相手の話に全神経を傾けて、しっかり話を聴くことです。「しっかり聴く」とは相手の話に全神経を向けて、相手に興味・関心を持って話を聴いている状態を意味します。
相手の話をさえぎって、自分の意見を押し付けないように注意しましょう。
傾聴がうまくできると「この人は私の話をちゃんと聞いてくれる」という安心感を与えることができ、結果として相手からの信頼を自然と獲得できるようになります。
【2】承認スキル
承認スキルとは、相手が行動したことで達成した結果をそのまま口にして、伝えてあげることによって、相手のありのままの状態(事実)を認めてあげるスキルです。もっともシンプルな方法は相手の言葉を『オウム返し』することです。
承認してあげることでクライアントは、自分の状況・感情・話した内容などを明確に理解することができます。
【3】質問スキル
コーチングに必要な能力の中でも最も重要なスキルと言えるのが『質問』のスキルです。知らないこと・気になることをただ単に質問するだけではありません。クライアント自信も気がついていない視点・可能性・能力を引き出してあげることが目的です。
【4】フィードバックスキル
フィードバックスキルの目的は、クライアントの自発的な成長を促すことにあります。クライアントのとった行動がどのように見えているのか、どんな印象を受けるのかをありのままに伝えます。
フィードバックすることで、クライアントは自分の現状や改善点に気づき、必要に応じて自発的に修正していく能力を養うことができます。決して、クライアントに評価を与えたり、プレッシャーを与えるものではありません。
【5】提案スキル
クライアントの自発的な行動を促すためにやり方・方法などを提案するスキルです。クライアントの行動を促すことが目的です。
クライアントは提案されることで、その提案内容を「やる・やらない」にかかわらず、まだ他の方法があることに気がつきます。提案スキルは「リクエスト」と表現されることもあります。
ティーチングに必要な5つのスキル
- 実力を見抜くスキル
- 教える(伝える)スキル
- 褒めるスキル
- 叱るスキル
- フィードバックスキル
【1】実力を見抜くスキル
実力を見抜くスキルは、クライアントの現在の実力を正しく認識することを目的とします。スタート地点(=現在の実力)がわからないとゴール(=売上)まで導くことができないからです。
・なにをどのぐらい知っているのか
・どの程度のことができるのか
など。
はじめの段階でクライアントの実力を見抜くことが求められます。
【2】教える(伝える)スキル
教えるスキルは、クライアントを行動できるようにすることを目的とします。クライアントに知識・スキル・考え方などを伝えて終わりでは、クライアントが成果を手にすることができません。教えた知識・スキル・考え方を活用して、行動できるようにすることが重要なのです。
教えるスキルは、ティーチングにおいて最も重要なスキルとなります。クライアントができない行動・できるようになって欲しい行動・成果につながる正しい行動を実践してもらうために必要なスキルです。
【3】褒めるスキル
褒めるスキルは、クライアントに成長を感じてもらい自分で考えて行動できるようになってもらうことを目的とします。褒めるポイントは、クライアントの「行動」を褒めることです。
クライアントの知識や人間性などを褒めるよりも「行動」を褒めることが重要になります。行動を褒めることで、自信がつき、自然と行動力が上がるからです。行動なしに成果を手にすることはないので、行動力が上がれば成果を出す可能性が高くなります。
「人を褒めるのが苦手」という人でも、「行動」を褒めることを意識するだけで、褒めることへの苦手意識も自然と軽くすることができます。
【4】叱るスキル
叱る目的は、クライアントの行動などを改善し、より良い状態になってもらうことを目的とします。クライアントとの関係性では「間違いを指摘すること」が叱るの役割をはたしてくれます。
ポイントは、クライアントの「行動」を叱ることです。クライアントの知識・人間性などを叱ってはいけません。特に人間性などを叱ってしまうと、クライアントとの信頼関係に大きく関わるので注意が必要になります。
【5】フィードバックスキル
ティーチングにおけるフィードバックは、「伝えた内容」や「叱った内容」がしっかり実践できているのかをクライアントに伝えることを目的とします。知識・スキル・考え方などを伝えたり、叱ったりしたままでクライアントを放置してはいけません。クライアントのがうまく行動をできるようにサポートします。
フィードバックするときも、クライアントの「行動」に対してフィードバックしてください。ティーチングは「教える・指導する」というテクニックなので、教えたとおり・指導したとおりに行動できているのかをフィードバックしてクライアントの成長をサポートしていきます。
コーチングとティーチング|効果を発揮する場面を知ろう!
最後にコーチングとティーチングが有効な場面についてお伝えします。クライアントの成果に結びつけるためのスキルの使い分ける方を確認してください。
コーチングが効果を発揮する場面
一般的にコーチングは以下のような場面で有効とされています。
- クライアント自身で考えて、行動できるようになって欲しいとき
- クライアント自身で考えて行動してもらいながら、自信をつけさせたいとき
- コーチに依存せず、自発的に行動してもらいたいとき
【事例1】依存心の強いクライアントに対してのコーチング
コーチ・コンサルとして活動していると、クライアント自身に「自分の頭で考えて行動できる習慣を身につけてほしい」と考えるものです。実際に、クライアント自身が自分で考えて動けるようになることが、本当の意味での成長であり、望ましい状態といえます。
しかし、自分では何も考えずに「やり方・方法・解決策」を聞いてくるクライアントがいることも事実です。このように依存心の強いクライアントは「自分の能力に自信が持てない」場合が多く、対処法としてコーチングが有効になります。
自分に自信がもてないクライアントのティーチングを使って「〇〇の方法でやりましょう」「〇〇してください」と教えても効果がありません。そうではなく、クライアントの中に隠れている“自信”を引き出してあげることが重要になります。
<参考>クライアントの自信を引き出すコーチング
・もし1人で〇〇が達成できるとしたらどうですか?
・そのためには何が必要になると思いますか?
・今の自分にできそうなことは何かありますか?
・〇〇を達成するために障害になりそうなことはありますか?
・その障害はどうすればなくなると思いますか?
「クライアントが不安に感じたり、曖昧に認識しているポイント」にファーカスしながら質問をして、クライアントが1人でも行動できる自信を持てるように導いてあげます。
・〇〇できたらいいな、そのためには□□が必要だな
・今の自分なら〇〇ぐらいできそうだな
・××への対処をしておけば、〇〇は達成できそうだな
クライアント自身が1つ上の段階に成長したいときや、行動が息詰まっているときに有効なのがコーチングになります。
仙道どうも、仙道です!コーチであればコーチングの技術を持っている方も多いかもしれませんが、それ以外のコンサル、セラピストなどの起業家においても、コーチングの技術は持っていた方が良いでしょう。コ[…]
ティーチングが効果を発揮する場面
一般的にティーチングは以下のような場面で有効とされています。
- 基本知識を教えるとき
- スキル・マインドセットなどを定着させるとき
- 短期間で成果を求めるとき
【事例1】自分の意見・考え方が強いクライアントに対しるティーチング
コーチ・コンサルとして活動していると、自分の意見をどうしても貫きたい方がクライアントに多く見られます。そんな時に有効なティーチングの使い方をお伝えします。
参考例:自分の意見・考え方が強いクライアント
・自分は〇〇とメッセージを出したい
・自分は〇〇という思いを大事にしている
・自分は〇〇という方法でやりたい
・自分は今まで〇〇というやり方でやってきた
クライアントが強い意見を持っていると、ティーチングしてもなかなか素直に学んでくれません。このような場合は、まずクライアントが貫きたいと言っている意見・考え方に従って行動してもらいます。そして、その結果・成果を実際に体感してもらうことが効果的です。
『自分の意見・考え方を貫くとどうなってしまうのか』それを身をもって味わってもらうことから、自身の間違いに気づいてもらうことが狙いです。間違いに気づいてもらえたら、正しい取り組み方をしっかり伝えること。そうすることで、クライアント自身が成果のだせる状態に導いてあげることができます。
ティーチングは、コーチングと違いクライアントをある程度強制的に、正しい方向へ導きたい時に有効な手段になるということです。
※ティーチングの注意点
ティーチングする側がクライアントは「間違っている」と100%決めつけてしまってはいけません。自分がティーチングをする立場であっても、クライアントから学ぶ姿勢を忘れないようにしてください。
・クライアントから何か学べることはないか
・自分にとってもプラスになる部分はないか?
クライアントの意見・考え方も参考にすることで自分自身のティーチングスキル向上や新しいアイディアの発見に繋げて欲しいと思います。
コーチングとティーチング|メリット・デメリットの比較
メリット・デメリットを理解しておくと、より2つのスキルの使い分けがしやすくなり、結果としてクライアントに大きな成果を提供することができます。
コーチング|6つのメリット
- クライアントの考える力を育てることができる
- クライアントの自発性を高める効果がある
- クライアントの自尊心を高める効果がある
- クライアントの行動力が高まる
- クライアントすら気づいていない選択肢・答えを示すことができる
- クライアントの可能性を伸ばすことできる
コーチング|6つのデメリット
- スキル・マインドセットの低いクライアントには効果がでにくい
- 成果がでるまでの期間に個人差が大きい
- コーチングする側のスキルが求められる
- コーチングする側が下手だとクライアントに効果がでにくい
- 使い方を間違えるとクライアントを混乱させる可能性がある
- コーチング側が自分の考え方を押し付けそうになる
ティーチング|5つのメリット
- ビジネス初心者にスキル・マインドセットを伝えるとき効果的
- スキル・マインドセットの低いクライアントに効果的
- 何をしていいかわからないクライアントを行動させるのに効果的
- ティーチングしてから成果に繋がるまでの時間が早い
- 短期間でクライアントを成長させることができる
ティーチング|5つのデメリット
- クライアントの自主性が育ちにくい
- クライアントの自尊心が傷つく可能性がある
- クライアントが受け身になりやすい
- クライアントに依存心を作ってしまう
- なんでも教えてくれると誤解を与える恐れがある
まとめ
コーチングとティーチングは効果的に使い分けることでクライアントを成果(=売上の獲得)に導くことができます。ここでお伝えした「3つの違い」を十分に理解して、実際のクライアントに対して活用するようにしてください。
- コーチングとティーチングはどう違うのか
- 今のクライアントにはどっちのスキルが必要なのか
- どんなふうに使い分けるとクライアントに成果を提供できるのか
このように考えながら、失敗をおそれずに実践していってください。
コーチ・コンサル・セラピストに限らず、様々な業種・業界でも活用できるスキルです。もしあなたがクライアントのサポートで困ったときは、ぜひ2つのスキルを使い分けながら活用してみてくださいね。
もしもまだクライアントを獲得できていないのであれば、仙道塾無料オンライン動画を一度ご覧になってみてください。こちらの内容を実践していただければ、クライアントを見つけることができます。