コンコンルド効果とは|ビジネスを破滅へと誘う心理状態と対処法

仙道達也

どうも仙道です。

お金や時間を費やした時、もったいないと考えてしまい途中でやめることができなくなる。そんな経験はありませんか?それはコンコルド効果の典型的なパターンの一つです。

コンコルド効果は大人が陥りやすい心理状態とも言われています。そして起業家も陥りやすい破滅への道とも言い換えることができます。

個人起業家として、「もったいない」という感情で失敗をしないためにも、コンコルド効果について正しく認知しておきましょう。もしコンコルド効果に陥っていると感じた際の対処法も紹介しているので、あなた自身と向き合うためにも最後まで読んでおきましょう。

 

コンコルド効果とは

コンコルド効果とは

コンコルド効果とは、ある対象にお金や時間や労力を投資し続けることが損失になるとわかっていても、それまでの投資を惜しみやめられない心理状態のことです。

経済学では「サンクコスト効果」と呼ばれており、「すでに費やしてしまった投資」という意味で使われます。英語では「Sunk Cost」となり、Sink(沈む)の過去完了系が使われています。直訳すれば「沈んだ投資」となります。

一度投資をしたもの(こと)に対し、「このままじゃダメだ」と頭では分かっていても、なんとか回収しなくてはとやめられない状態となり、今の状態から抜け出せなくなってしまいます。これがコンコルド効果の恐ろしいポイントになります。

すでに目にわかる損失が出ていたとしても、やめることができないため、さらに損失が増加する可能性を高めてしまいます。

個人起業家の場合

個人起業家の場合、自己投資として起業塾やコンサルタントへお金を支払うケースは少なくありません。

しかし、いざお金を支払い受けてみても、何か違う、まだ早かったなどの理由で逃げ道を作ってしまう。そうすると、そこには損失が発生します。返金が存在しないケースが多いからです。

そうすると、どこかで元を取らなきゃと考えながらも、もっと他に良い人がいるかもしれないという心理が働きます。そして、また別のところに投資をして同じことを繰り替える。

そうした繰り返しが、積み重なっていき自己投資という聞こえの良い言葉だけを残し、お金だけを支払う側として破滅への道に続いていってしまいます。

 

コンコルド効果と呼ばれる由来

コンコルド効果と呼ばれる由来

コンコルド効果は、超高速旅客機のコンコルドから名前が付けられています。

超音速旅客機コンコルドは1969年フランスとイギリスが共同開発しました。開発当初は性能や造形から人気を呼び世界中から注文が入りました。しかし旅客機としては定員数の少なさや燃料問題が課題となりました。さらに開発コストが高かったこと、旅客機としての利益と比較しても採算が取れないことが判明しその後姿を消すことになりました。

コンコルドの開発などに投入した時間や予算が全て無に帰してしまうこともあり、最終的に責任問題の落ち着けあいとなり、最終的には会社は莫大な損失を出し倒産することに。

こうした一連の商業的な失敗談になぞらえ「コンコルド効果」と言われるようになったと言われています。

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コンコルド効果の実例

コンコルド効果の実例

コンコルド効果は、起業家にとってもよく見られるものです。

何かに投資をした時、損得の計算ができるので、もったいない精神が発動します。そうすると、せっかく投資したんだから回収しなきゃもったいないという状態を作りだすということです。

 

実例1
起業後、何年も赤字状態が続いているが、せめて初期投資くらいは回収しなきゃという気持ちが強く、退く判断ができない
実例2
時間と労力を投資してビジネスをスタートしたんだから、何か結果を出さなきゃいけない。
実例3
ビジネス書を買ってみたけど、今の自分には役に立たない内容だった。だけどせっかく買ったし最後まで読まなきゃもったいないととりあえず最後まで読み続けてしまう。
実例4
話題の映画を観てみたが、驚くほどつまらない。だけどお金も払ったしもったないからと最後まで観続けてしまう。
実例5
お金を払ってセミナーに参加したのに、内容も無いし講師も微妙だった。だけどお金を払ったからには最後まで残らないともったいないと最後まで参加してしまう。

 

実例として紹介しましたが、もしかしたらあなたも似た様な経験があるのではないでしょうか?

コンコルド効果は自分には無縁だと思っていたかもしれませんが、蓋を開けてみたら当てはまっていたなんてことはよくあることです。

 

コンコルド効果に陥ってしまった時の対処法

コンコルド効果に陥ってしまった時の対処法

起業家にとって、時間は有限です。お金だって大切な資源の一つ。そうした時間やお金を使ったからには回収しなくちゃもったいない。

こうした感情は起業家には大切なこと。けれども、どこかで撤退(損切り)をするタイミングを決めておくことも大切です。

仮に、コンサルタントとして起業して3年間赤字続きだったとします。

起業塾やコンサルをつけて試行錯誤してきたが結果が出ない場合、時間もお金も労力もかなり投資したことになります。

 

そうすると、次の二択を選択することになります。

  1. ここまでやったんだから結果を出さなきゃ
  2. ここまでやってきたけど撤退すべきだ

 

コンコルド効果に陥っている場合は、①を選択してしまいます。しかしこの場合はさらに損失を大きくする可能性が高まります。

対処法としては、①を理解した上で、②を選択することです。

これまで投資してきたことを全て切り捨て、執着することなく過去を損切りすること。躊躇することもあるかもしれませんが、脱却することで心身共に楽になり、次への一歩を踏み出すことができます。

結論をまとめると、コンコルド効果に陥っていると感じたら、損切りという選択をすることです。

 

仙道自身も損切りをすることは未だにある

私自身も、いまだにコンコルド効果に陥りそうになることはあります。

広告・新しいビジネス・新しいプロモーション・新しい企画など、お金を使う場面は多々あります。それに今でも様々なセミナーやコンサル・コーチの方にお金を支払い自己研鑽を続けています。

そうすると、良いものもあれば、今の自分には必要ないと感じるものにも出会います。この時、お金を支払ったのだからなんとか使える要素を探そう。一つでも役立つものを持って帰ろうと考える。

しかし、本当に不要だと感じたならそこに時間も労力もかける必要はないと考えています。

確かに、一つでも役立つものがあれば理想的です。ですが、それを探すにも労力を使いますし、その時間を使いもっと他のことに集中した方がビジネスは成長する可能性が高くなります。

どのような場面においても、不要だと思った瞬間に思考と感情を切り替える。そうしたトレーニングも日々しておくことでコンコルド効果に陥らず次に進みやすくなります。

 

損切りしても全てを手放す必要はない

過去の投資全てを捨て去る場合、経験や知識などの全てを捨て去ると勘違いされがちです。

そうではなく、その事業に対する時間・お金・労力の投資をやめるだけであって、その間に培った経験やノウハウ等は全てあなたの財産となります。

上手くいかなかった経験を武器に次の行動に活かすもよし、その経験を武器にコンサルティングを提供するのもオススメです。

人は損をしたくないと感じる生き物です。

あなたが上手くいかなったことが全てマイナスに働くことはありません。その経験をどう活かすかが重要です。コンコルド効果の実体験をどう活かすかと割り切り、新しいステージを目指す選択肢も視野に入れていきましょう。

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まとめ

コンコルド効果は、超音速旅客機コンコルドの開発実話から付けられた心理状態を表すことで、「ある対象にお金や時間や労力を投資し続けることが損失になるとわかっていても、それまでの投資を惜しみやめられない心理状態」のこと。

ビジネスシーンにおいて陥りやすい特徴を持っています。それは大人特有の心理とも言われているから。

損切りをすることも視野に入れつつ、今の自身の状態を正しく認知し損失を押させることが対処法となります。

投資した分を回収できる見込みがあり、結果として回収できれば理想的ですが、全てがその通りにいくとは限りません。現状や過去に囚われることなく、感情を押さえ込み気持ちを切り替えいくことで、新しい未来に踏み出せます。

その経験をどう活かすかまで考えつつ、コンコルド効果と向き合っていきましょう。

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